皆さんは「メモを取る習慣」が身についていますか?
最近、よく耳にするのが「若い子がメモを取ってくれない」、「何度言っても同じミスをする」といった悲しい声です。
若い子を部下に持つ方の共通の悩みかと思います。
昔に比べてIT化が進み、働き方が変わってきたとはいえ、仕事に対する姿勢は変わっていないはず!と、自分が若いころに教わったまま若い子の育成をしていませんか?
ここでは、そんな部下を持った方々に対するアドバイスを記載したいと思います。
メモを取る事の大切さについて
あなたは、なぜ部下にメモを取って欲しいのでしょうか?
メモを取る理由について考えてみよう
- そもそもメモを取るのは社会人として当たり前、常識だ!
- メモを取っている方がきちんと話を聞いている感じがする
- 何度も同じミスをしない様に
この中に、あなたが思い浮かべた「メモを取ってほしい理由」がありましたか?
あった場合は、あなたの考え方を変える必要があります。
あなたの「メモを取る理由」を考え直そう
あなたの「メモを取るべき理由」が、先程の選択肢にあったのであれば、考え方を変える必要があります。
常識論は通用しない
もし、先ほどの選択肢で「そもそもメモを取るのは社会人として当たり前、常識だ!」が当てはまった方。
常識って何でしょうか?
「普通は…」とか「一般的に…」とか「常識的に…」というのは、「あなたの中では」と同義です。
あなたの普通を押し付けてはいけません。
特に、部下と世代が離れている場合はなおさらです。
「あなたの常識は他人の非常識」であることはあり得ます。
場合によっては人間関係に深い溝を作ってしまう可能性があります。
この様な指導方法を行っている方は、気を付けましょう。
聞いてくれていると感じるのはただの自己満足
「メモを取っている方がきちんと話を聞いている感じがする」が当てはまった方。
これはただの自己満足です。
確かに、メモをきちんと取っている方が、聞きながら脳内で必要な情報を取捨選択することで「理解している」と判断することはできます。
しかし、「メモを取る事」が作業になってしまうと、聞こえた単語をメモすることにつながり、結果として意味がなくなってしまいます。
「メモを取る事」に主体性を持たせるためには「メモを取っている方が話し手が気持ちよくなるから」と説明するのはナンセンスです。
忘れないためのメモは「一般人」レベル
最後に、「何度も同じミスをしない様に」が当てはまった方。
この考え方が一番多いと思います。
メモを取るのは「聞いたことを忘れない様にするため」という方。
正直、私も「忘れない様にメモをする人間」でした。
でも、よく考えてください。
同じミスをしない様にするのであれば、過去のトラブル・ミスをリストアップし、対策を織り込んだ「手順書・マニュアル」を作るべきではありませんか?
また、「忘れない様にメモを取る」という事は、頭の片隅に「〇〇の件で、ノートのどのあたりにメモをした」という事実を記憶している状態です。
ハイパフォーマンスに仕事をするためには「この情報の記憶すら不要である」と、ぼくは考えています。
大切なのは「忘れるためのメモ」
先程述べた通り、「忘れないためのメモ」を取る習慣から「忘れるためのメモ」を取る習慣に切り替える必要があります。
ただメモをするだけでなく、アラームを上げる仕組みを活用すればいいのです。
時間になったら行う業務、場所についたら行う業務に関しては、スマホのリマインダー機能を使えば対処できます。
例えば、朝、上司から「明日の出張は、先方の代表が出てきてくれるそうなので、5,000円くらいの菓子折りを持って行きたい。今日のうちに買って、明日持ってきてくれないか?」と言われたとして、帰るときに覚えている保証はありません。
iPhoneのリマインダーであれば、場所を指定し、そこを出発(又は到着)する際にメモした内容をポップ通知してくれる機能があります。
もちろん時間で表示することも可能なので、帰る時間が分かっていれば時間指定することもできます。
これはあくまでも一例ですが、リマインダーに登録しておけば、メモした事すら忘れて仕事に集中できます。
参考程度に…
メモを取る事自体は必要な事だと思いますが、メモの取り方がナンセンスな場合があります。
個人的に「一番意味がない」メモの取り方は「付箋にメモをしてモニターの周りに大量に貼っている」という方法。
2枚~3枚程度であれば、まだマシですが、10枚~20枚も貼っている人を見ると悲しくなってきます。
それだけの枚数のうち、まともに見られているのは数枚で、基本的には付箋が「風景」と化してしまいます。
つまり、見られないメモとなってしまいます。
結局のところ、ただの模様としてモニターを彩っているに過ぎない状態です。
もし、このようなメモの取り方をしている方がいるようでしたら、正しいメモの取り方を教えてあげましょう。
メモを取る事の大切さを部下に教える方法
ぶっちゃけ、メモを取ってもらうためには「メモを取る事の優位性」を理解してもらう必要があります。
部下をお持ちの方は以下のようなストーリーを話してみてはいかがでしょうか?
あなたの部には、何でもメモを取る部下のAさんと、メモを取らない部下のBさんがいます。
ある日、Cさんがあなたの部に異動となりました。
あなたはCさんの歓迎会を設定するため、部下のAさんとBさんに対し、「〇月×日の19時からCさんの歓迎会をしたい」旨を伝え、当日の定時後に15人が入れる会場を探す様に伝えました。
Aさんは「〇月×日の19時からCさんの歓迎会、本日定時後に15人が入れる規模の会場を探す」とリマインダーに登録しました。
Bさんはメモをせず、「分かりました、定時後に対応します」と口頭で返事をしました。
翌日、あなたはAさんとBさんに「歓迎会の件、良い会場見つかった?」と確認したところ、Aさんはリマインダーがお知らせしてくれたため、忘れることなく会場を3軒リストアップしてあなたに提出しました。
Bさんはあなたの指示を忘れておりました。
あなたが評価したいと思ったのはAさんですか?Bさんですか?
十中八九、Aさんではないでしょうか?
最後に
先程の例では「歓迎会の会場リストアップ」がお題でしたが、仕事に置き換えても構いません。
もちろん、メモを取らずに「すぐやる」ことができるものはすぐやるに越したことはありません。
時間がたつと忘れてしまう事は、人間なのであって当たり前なのですが、忘れても大丈夫な仕組みを使わせる方法を考えてみてはいかがでしょうか?